24日の東京株式市場で栗田工業の株価が4日続伸し、一時前週末比321円(6%)高の5983円と急騰した。SMBC日興証券が20日付で投資評価を引き上げたことが買いのきっかけ。国内外の水処理事業における利益率改善が投資家に好感された。

終値は287円(5%)高の5949円。同社は半導体や紙パルプなど幅広い産業向けに水処理装置や薬品を提供している。

SMBC日興は投資判断を最上位に、目標株価を7000円から8200円へと引き上げた。谷中聡シニアアナリストは「収益性重視の選別受注や不採算事業の撤退にくわえ、高い濾過(ろか)技術などが海外の半導体大手に選好され受注も堅調」と分析する。

好調な業績も一因だ。2025年3月期の連結純利益は前期比13%増の330億円と過去最高を見込む。今月中旬に製紙工場の水質データから製品の品質低下トラブルを事前に予測する新サービスを始めたと発表したことも好感された。

予想PER(株価収益率)は20倍台と、同業のオルガノ(18倍台)などと比べ割安感は乏しい。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネージャーは「7月の高値を超えるには業績の上方修正など材料が不可欠」とみていた。

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