会沢高圧コンクリート(北海道苫小牧市)は24日、2027年にも住宅向けに電気を蓄えられるコンクリートを生産すると発表した。技術を持つ米マサチューセッツ工科大学(MIT)とコンソーシアムを設立し、資金集めや開発計画を主導する委員会を立ち上げた。太陽光発電と組み合わせて脱炭素を後押しする。
会沢高圧がMITと開発する「蓄電コンクリート」はコンクリートの材料に電気を流す炭素材料を混ぜて作る。蓄電池と比べて劣化しにくく、住宅の基礎コンクリートへの活用が見込める。昼間に太陽光パネルで発電した電気を蓄えて夜に使い、住宅の省エネにつなげる。
現時点では蓄えられる電気の量が少ないなど実用化には課題がある。会沢高圧とMITは約800万ドル(11億5000万円)を投じて技術開発を進める。国内外のメーカーや建設会社、不動産会社に技術を提供し、ライセンス料を受け取る。
24日、国内で技術開発や市場拡大を後押しする業界団体の準備組織を設立した。コンクリート部材メーカーなどに参加を呼びかけた。近く業界団体を発足させる。
25年にも太陽光パネルで発電した電力を住宅の基礎コンクリートに蓄える実証実験をする。コンクリートに電気が流れる特性を生かし、道路のコンクリートに熱を発生させて雪を溶かすことも視野に入れる。
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