新潟県の東京電力柏崎刈羽原発。手前は停泊する運搬船=24日午前7時32分(共同通信社ヘリから)

東京電力は24日、国内唯一の使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)へ初めて、柏崎刈羽原発(新潟県)の燃料69体を搬出した。専用の運搬船が原発内の港から出発し、26日にもむつ市に到着、施設に搬入する。柏崎6、7号機の再稼働に備え、保管容量の上限に近づく燃料の搬出を進める。施設での保管が事実上恒久化するとの懸念も根強い。

使用済み燃料を運搬する専用船は23日までに原発敷地内に入港。24日午後、燃料を入れる約5.4メートル、直径約2.5メートル、重さ約120トンの金属製の容器1基を積み込み、出発した。施設は搬入後、検査を経て10月末に操業を始める。

柏崎1〜7号機の使用済み燃料は1万3752体で保管容量の8割に達し、6、7号機では9割を超える。地元の柏崎市が再稼働に同意する条件として、保管量の低減を求めていた。東電は2025年度に専用容器を2基(燃料138体相当)、26年度に5基(345体相当)を施設に移送する計画。

東電や施設の運営会社は核物質防護を理由に、施設到着まで作業は公開しないとしている。

使用済み燃料は全国の原発で保管容量が逼迫しつつある。関西電力などは山口県上関町で中間貯蔵施設の建設を計画している。むつ市の施設は、運営会社に出資する東電と日本原子力発電の2社の燃料を最大で5千トン受け入れる。

中間貯蔵施設に移送された燃料は地元との協定で最長50年間保管。最終的に再処理されて再利用される。ただ青森県六ケ所村の再処理工場は原子力規制委員会の審査が長引き完成していない。受け入れる地元では、施設からの搬出先が見つからないことへの警戒感がある。〔共同〕

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