村田製作所は20日、全事業所で使う電力を100%再生可能エネルギーにする時期の目標を2035年度に前倒しにすると発表した。これまでは50年度だった。工場の省エネルギー化や再生エネの調達が想定以上に進んでいるとみて、目標の達成時期を15年前倒しする。

村田製は20年に再生エネ促進の国際的な企業連合「RE100」に加盟し、50年度までに再生エネですべての電力を賄う目標を掲げた。工場の敷地内に太陽光発電設備を設置し、再生エネ由来の電力の調達を増やすなどして、20年度に15%だった再生エネ導入比率は23年度に36%に高まった。村田製では風力や地熱由来などの再生エネの調達先を増やせるとみている。

電力以外の燃料消費も含めた温暖化ガス(GHG)排出量を実質ゼロにする目標についても新たに定めた。工場など自社の事業所では40年度に温暖化ガス排出をゼロにすることを目指す。原料調達や製品の輸送など供給網全体を含めた排出量も50年度にゼロにする目標だ。

村田製はコンデンサーなどの電子部品が主力だ。再生エネ導入を拡大するのは環境負荷低減のほか、顧客であるスマートフォンや自動車メーカーなどが部品の製造段階での脱炭素化を求めている動きに対応する狙いもある。

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