塩野義製薬は19日、インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」が患者の家庭内で感染リスクを抑えるとする臨床試験(治験)の結果が得られたと発表した。インフルエンザ感染者への投与後5日以内に陽性が判明した同居家族らの割合が、プラセボ(偽薬)に対して低くなった。呼吸器感染症で治療に使われる抗ウイルス薬が感染を抑制する結果を示したのは初めてという。
2019年から世界で4000人以上の患者らを対象に臨床試験を実施した。塩野義は「抗ウイルス薬で感染症の流行を抑制できる可能性があり、早期服用の重要性が一層明確になった」として、感染症治療薬の販売拡大につなげる。
塩野義は感染症分野に注力しており、ゾフルーザは国内のインフルエンザ治療薬でトップクラスのシェアを誇る。新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」も国内で販売を伸ばしている。コロナ治療薬などでも同様の効果がある可能性が高いとしている。
治験結果の詳細は9月29日からオーストラリアで開催される学会で発表する予定だ。
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