エチレン製造設備の稼働率は好不況の目安とされる90%割れが続く(国内のエチレン製造設備)

石油化学工業協会(東京・中央)は18日、化学製品の基礎原料であるエチレンの生産設備の8月の稼働率が82.3%(速報ベース)だったと発表した。好不況の目安とされる稼働率90%を25カ月連続で下回った。中国勢の増産などを背景に市況は悪化、需給バランスが崩れた状態が続く。

エチレンは自動車や家電など耐久消費財や日用品などに使う合成樹脂の原料となる。生産量は前年同月比13.5%減の40万4500トンだった。集計対象になっている1プラントが8月は定期修理中だったことも、生産量が落ち込む要因となった。

石油化学工業協会の工藤幸四郎会長(旭化成社長)は稼働率について「90%を超えるのは見通せる状況にない。80%台か80%台前半がしばらく続くとみている」と述べた。

エチレンを原料とする主要4樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の国内出荷量は、夏季休暇に伴う供給先の稼働日減少があり、前月比で大幅にマイナスとなった。台風の影響で消費が停滞したことなどから、前年同月比でも4樹脂すべてで下回った。

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