小泉製麻は微細な二酸化炭素を含む水を吹きかけ、老朽化したコンクリートのひび割れを保護する技術を開発する

産業資材メーカーの小泉製麻(神戸市)は北見工業大学と共同で、ホタテの貝殻を使って劣化したコンクリートを修復する技術を開発する。新しいコンクリートに微細な二酸化炭素(CO2)を含む水を吹きかけてひび割れなどを予防する独自技術を応用。老朽インフラの長寿命化につなげる。中小企業庁の補助事業に採択されており、2026年度までの実用化をめざす。

小泉製麻は粒子の細かいCO2を含む水を新設のコンクリートに吹きかけ、コンクリートから流出する水酸化カルシウムとの化学反応で炭酸カルシウムをつくり、コンクリートがひび割れないようにする技術を持つ。この技術を修復に生かす。

ホタテの貝殻からペースト状にした水酸化カルシウムを生成する。老朽化したコンクリートに塗った後に、CO2を含む水を吹き付けて表面の微細な隙間を埋める。実用化のめどはほぼたっており、ホタテの貝殻から水酸化カルシウムを量産化するのに適した形状やペーストにするための増粘剤の配合割合などを探る。

ホタテの貝殻は大量に廃棄されている一方、「コンクリートの原料となる石灰石の国内埋蔵量は66年分程度と試算されている」(小泉製麻)。高度成長期に整備された道路や橋梁などは老朽化しており、同社は老朽インフラの長寿命化に向けて新技術のニーズは高いとみている。

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