USスチールの工場=2月、米ペンシルベニア州(AP=共同)
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収を審査している対米外国投資委員会(CFIUS)が、日鉄による審査の再申請を承認したことが17日、分かった。米政府による買収禁止は当面回避できる。関係者によると、日鉄は23日までに申請を取り下げ、改めて申請し直す。 買収を巡っては、昨年12月の発表直後に全米鉄鋼労働組合(USW)が反対を表明。USスチールの本社が大統領選の行方を左右する激戦区の東部ペンシルベニア州にあり、民主、共和両陣営が労組票を取り込もうと買収に反発した。 一時はバイデン大統領が阻止に向けて最終調整に入ったともされたが、米メディアは判断を大統領選後に先送りする可能性があると報道していた。日鉄は政界からの反発が静まる可能性のある大統領選後に照準を合わせ、戦略を練り直すとみられる。日鉄はCFIUSの審査について「コメントできない」としている。 CFIUSは、買収に伴う安全保障上の問題点を審査。買収による米国内での鉄鋼生産の減少などが懸念材料だったとされる。
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