新リース会計基準の公表について記者会見する企業会計基準委員会(ASBJ)の川西安喜委員長(13日、東京・千代田)

日本の会計基準を開発する企業会計基準委員会(ASBJ)は13日、建物や設備などを借りて使う「リース取引」に関する新しい会計基準を公表した。原則すべてのリースについて資産と負債を貸借対照表(BS)に計上するのが柱で、2027年4月から強制適用となる。

これまでBSに計上するのは、中途解約できず購入に近い形態の「ファイナンスリース」に限られていた。将来支払うことが決まっている実質的な負債が原則すべてBSに計上され、財務の透明性が高まる。国際会計基準(IFRS)などと考え方がそろい、企業比較がしやすくなる。

ASBJは19年に基準開発に着手した。当初はIFRSの基本的な骨組みだけを取り入れることを想定していたが、企業などから「IFRSの細かい定めも取り入れるべきだ」との意見が多く、議論に時間がかかったという。

川西安喜委員長は13日に開いた記者会見でリース会計の開発を振り返り、「こだわりを持ち非常に強い意見を言う業種も多かった。丁寧に意見を聞いて回るのに時間がかかった」と語った。

(森国司、今村桃子)

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