【ワシントン時事】日本製鉄の森高弘副会長は１１日、ワシントンで米鉄鋼大手ＵＳスチール買収計画を巡って米政府高官と会談した。米政府が安全保障上の懸念を示す中、買収後の追加投資方針などを説明し、改めて容認を求めたとみられる。関係者が明らかにした。米メディアによると、森氏は計画を審査している対米外国投資委員会（ＣＦＩＵＳ）の幹部と面会。ＵＳスチールのブリット社長兼最高経営責任者も同席したという。
ＣＦＩＵＳは、ＵＳスチールが日鉄に買収されれば、生産の海外移転などにより米国の鉄鋼供給に影響を及ぼす恐れがあると懸念。日系企業となれば、輸入急増時などに貿易救済措置を米政府に要請することも難しくなるとみている。
ＵＳスチールが本社を置く東部ペンシルベニア州は大統領選の激戦州で、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領が競り合っている。全米鉄鋼労組（ＵＳＷ）は買収計画に反発。労働者票を狙う両候補も反対姿勢を示しており、バイデン大統領は近く、買収計画の阻止を発表すると報じられている。
日本製鉄の看板
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