業務スーパー

神戸物産が11日発表した2023年11月〜24年7月期連結決算は、純利益が前年同期比5%減の148億円だった。節約志向の高まりから、低価格が売りのフランチャイズチェーン(FC)「業務スーパー」が好調で増収を確保したが、7月に急激に円高が進んだことで為替予約に関連するデリバティブ評価損が膨らんだ。

業務スーパーでは輸入食品の比率が高く、調達コストの急激な変動を避けるために為替予約を実施している。7月に急激に円高が進んだことで営業外費用に49億円のデリバティブ評価損を計上した。評価損が前年同期の2倍に膨らんだことが純利益を押し下げた。今後も円高傾向が続く場合は、為替予約は減らしていく方針だ。

売上高は前年同期比11%増の3772億円、営業利益は14%増の266億円だった。7月末時点で全国に1071店の業務スーパーを展開しているが、直営店は4店のみで、神戸物産の売り上げはFC店向けのプライベートブランド(PB)の生産・販売が主体だ。全国の業務スーパーへの出荷実績は既存店ベースでも前年同月を上回って推移した。

円高は足元の純利益を押し下げたが、輸入食品の調達コストを引き下げる要因にもなる。これまでの円安で輸入食品などのPB商品の採算が悪化していた面もある。神戸物産は当面はPB商品の値下げによる集客増よりも、利益率の回復を優先する方針だ。

24年10月期通期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比8%増の4980億円、純利益は5%増の215億円になる見通し。いずれも過去最高を更新する見込みだ。

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