アートギャラリーなどを充実させる(イメージ)

J・フロントリテイリンググループの大丸松坂屋百貨店は11日、松坂屋名古屋店(名古屋市)の大規模な改装を2025年にかけて実施すると発表した。投資額はグループ最大級となる約63億円。フロア総面積の3割以上が対象となる。愛好家の多い酒や美術品などの売り場を拡大し、20〜40代の顧客を呼び込む。

本館と北館を合わせて8フロアを改装する。複数フロアにまたがる改装は8年ぶり。24年11月から順次オープンする。改装フロアに入居するファッションや宝飾品など211ブランドのうち、約4割が新規ブランドとなる。今秋に改装オープンする本館の婦人服フロアでは店舗の6割を刷新し、高級志向の若者を意識したテナントが並ぶ予定だ。

目玉の一つが酒やアートの拡充。酒の売り場には国内の百貨店で初めて日本酒の熟成庫を併設する。さらに酒のセミナーなどを行う会員制サロンを新設するなど、体験機会を重視する。美術関連ではギャラリーとカフェを併設したスペースを新設する。

記者会見する大丸松坂屋百貨店の宗森社長(11日、名古屋市)

同店は売り上げの約5割を外商が占める。大丸松坂屋は外商部門の売り上げが新型コロナウイルス禍前と比べて約2割増えており、20〜40代に限ると約3倍に伸びているという。改装で若年層の外商顧客の来店を増やす。

大丸松坂屋百貨店の宗森耕二社長は同日の記者会見で「名古屋はインバウンド(訪日外国人)を含めて伸びが大きく、さらなる成長が期待できる」と話した。

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