経営再建中の住友化学は11日、自動車部品などの原料になる透明の樹脂「メタクリル樹脂」の生産能力を半分に減らすと発表した。シンガポールの生産設備の一部を9月末をめどにとめる。
メタクリル樹脂は自動車のテールランプや水族館の水槽などに使われる。同社は、グループ全体の生産能力を年20万トンから10万トンに、この樹脂や塗装の原料になる「メタクリル酸メチル」の能力を40万トンから23万トンに、それぞれ減らす。もうかりにくい汎用(はんよう)品を削減し、付加価値の高い製品に注力する。
住友化学は、2024年3月期に過去最大の3118億円の純損失を出した。その一因になったサウジアラビアの石油化学合弁会社への出資比率を37.5%から15%に引き下げると8月に発表するなど、経営の再建を急いでいる。(山本精作)
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