グローバル旗艦店は江戸時代を思わせる内装を採用する

くら寿司が9日発表した2023年11月〜24年7月期の連結決算は、最終損益が44億円の黒字(前年同期は6億4900万円の赤字)となり、同期間で過去最高を更新した。インバウンド(訪日外国人)需要を取り込み、客単価を上昇させて収益力を高めた。期間限定の商品やアニメとのコラボも客足増に寄与した。

売上高は前年同期比12%増の1738億円で、こちらも過去最高を更新した。営業損益は63億円の黒字(前年同期は3億7600万円の赤字)だった。マグロやカニなど、お勧めの商材を打ち出したフェアを実施したほか、国内外で24店舗を新規出店した。

国内ではインバウンドを中心に都市部の店舗で売り上げが伸びた。「鬼滅の刃」や「僕のヒーローアカデミア」などのアニメや人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボが集客増につながった。国内の好調が業績全体をけん引した。

くら寿司は4月、銀座に和風の内装を採用したグローバル旗艦店を開くなど、急速に伸長するインバウンド需要を取り込んでいる。グローバル旗艦店での価格は1皿150円からに設定し、客単価の上昇にもつながっている。

一方、北米は経常赤字が続く。店舗数は増加したが、米国経済の減速が響いた。

24年10月期通期は売上高が前期比11%増の2340億円、純利益が4倍の35億円とする従来予想を据え置いた。賃上げやタッチパネル機器などの設備投資を前倒しで実施するため、23年11月〜24年7月期実績から純利益は落ち込む見通しだ。

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