三菱ケミカルグループはトリアセテート繊維事業を売却し、成長事業に経営資源を集中する

三菱ケミカルグループは9日、衣服など向けの繊維事業から撤退すると発表した。婦人服などに使われる化学繊維事業を、専門商社のGSIクレオスに2025年3月めどで売却する。三菱ケミGは事業の取捨選択を進めており、今後の成長が見込める分野に経営資源を集中する。

  • 【関連記事】三菱ケミG、田辺三菱製薬売却探る 本業化学に投資集中

売却するのは光沢があるのが特徴の化学繊維「トリアセテート」事業で、比較的価格帯が高い婦人服などに使われている。富山市の生産設備と関連する子会社を譲渡し、従業員約190人は移籍する。売却額や事業の売上高などは非公表だが、業績への影響は軽微だという。三菱ケミGは23年にもセーターなどで使われるアクリル繊維事業から撤退し、繊維事業は縮小していた。

トリアセテート繊維を巡っては5月に、毎年更新が必要な服の安全性に関わる申請を怠る認証の不備があったと発表した。認証取得以降、原料や製造方法は変更しておらず品質と安全性については問題ないと説明していた。今回の売却と認証不備の関連性はないとしている。

【関連記事】

  • ・三菱ケミカルG、繊維製品で認証不備 婦人服向け
  • ・三菱ケミG、田辺三菱製薬を売却へ 多額の開発費が重荷
  • ・三菱ケミG、田辺三菱売却準備報道に「あらゆる選択肢」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。