NECは3日、1分間に100人の個人を認証できるシステムを30日から発売すると発表した。カメラに写った顔や体形などから識別するため、顔が横を向いた状態でも特定することができる。空港や娯楽施設の入場管理としての利用を見込み、日本や米国、シンガポールを中心に世界で販売する。3年間で100件以上の導入を目指す。
NECが強みを持つ顔認証システムに虹彩や体形でも個人を識別できる技術を組み合わせた。人混みに紛れ込んだ特定の人物も追跡することもできるとしている。
導入にかかる費用は500万円から。システムはカメラや三脚、パソコンのほか、NECが開発した通信端末などで構成する。認証を受ける人は事前に全身を映した写真を登録する。
認証結果はカメラ付近や床に設置したディスプレーに表示することができる。認証できない人が通過した場合、通常と異なる色を表示して警備員に伝える。通過した人には事前にダウンロードしたアプリやメールで結果を伝える。
今回のシステムについてNECは7月、国内のNEC社員2万人を対象にして本社ビル(東京・港)に導入した。社員証をかざして解錠していた自動ドアを利用者は歩きながら認証することで、立ち止まることなく通過できるようになった。
訪日客の増加を背景に空港や娯楽施設では利用者が急増している。NECのシステムを活用すれば、一人ずつ順番に通過させるためのゲートが無くても入場管理ができる。混雑の緩和や利用者の負荷軽減、事業者の業務効率化につなげるとみている。
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