人件費の高騰を理由とする食品の値上げが増加している(スーパーの冷凍食品売り場)

帝国データバンクは30日、9月に1392品目の食品が値上げされると発表した。主要食品メーカー195社を対象に調査した。前年同月(2148品目)と比べると35%減で、9カ月連続で前年同月を下回る。減少傾向が続くが、人件費の高騰を理由とする値上げが増加している。

分類別では冷凍食品を中心に「加工食品」が757品目と最も多い。原材料費の高騰や人件費の増加などを受けて冷食各社が冷凍パスタや冷凍総菜などを値上げする。次いで多いのは「調味料」の193品目で、みそやしょうゆ、スパイス製品などが値上がりする。

169品目の「菓子」はカカオ豆の価格高騰によりチョコレート類の値上げが続くほか、アイスクリーム類も一斉に値上げされる。アイスは明治やロッテ、森永製菓など各社が価格を1割程度引き上げる。

要因別でみると人件費を理由とする値上げが増加している。1月から11月までに予定される値上げのうち人件費を理由とするものは27%となり、前年同期の9%を大きく上回る。帝国データバンクは「最低賃金の引き上げなどによる従業員の賃上げを要因とした値上げが徐々に製品価格へ反映・浸透しはじめたことも要因」と分析する。

10月には3000品目程度の値上げが予想される。約2900品目だった4月以来「半年ぶりの値上げラッシュ」(帝国データバンク)となりそうだ。

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