独フォルクスワーゲンが開いた開幕前夜イベント(24日、北京市)

【北京=松本晟】世界最大級の自動車展示会である「北京国際自動車ショー」が25日、開幕した。新型コロナウイルス禍の影響で、北京での開催は2020年以来4年ぶり。中国メーカーは電気自動車(EV)を世界展開し、価格と技術で存在感を強める。劣勢の日本や欧米勢も対抗策を打ち出す。

世界の自動車や部品メーカーなど約1500社が参加する。会期は5月4日まで。比亜迪(BYD)など中国メーカーを中心に、278車種のEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などを展示する。自動車メーカーだけでなく、華為技術(ファーウェイ)などの電動化技術やソフトウエア戦略も注目される。

北京ショーに参加するスマートフォンメーカーの小米(シャオミ)は、3月にテスラ車を下回る価格のEVで市場に参入すると表明した。わずか3年で新車開発にこぎ着けており、中国勢の新車開発のスピードを象徴する。

日本車メーカーからはトヨタ自動車やホンダ、日産自動車、マツダが出展する。内燃機関技術を強みとしてきた日本勢は苦戦が続いている。電動技術やソフトウエアで進化する中国勢の新車開発のスピードに対応できておらず、中国勢との連携強化も打ち出す予定だ。

中国では23年にEVの販売台数が前年比2割増え、668万台を超えた。国際エネルギー機関(IEA)の予測では、中国のEV(PHVも含む)市場は30年に新車全体の3分の2を占め、35年には85%に達する見通し。中国政府の政策支援もあり、巨大EV大国として存在感が高まっている。

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