ロームは中国自動車大手、浙江吉利のEV「ジーカー」のミニバン「009」(写真)などにSiCパワー半導体モジュールを供給する

ロームは29日、省エネ性の高い炭化ケイ素(SiC)パワー半導体を搭載したモジュールが中国自動車大手の浙江吉利控股集団の電気自動車(EV)で採用されたと発表した。電力を制御するインバーター向けで、浙江吉利の主力EVブランド「ジーカー」の3車種に供給する。

SiCパワー半導体は電力損失を抑えることで、EVの航続距離を延ばすことが期待できる。中国の自動車部品大手、正海集団との合弁会社を通じ、ジーカーの小型多目的スポーツ車(SUV)「X」、ミニバン「009」、スポーツワゴン「001」の3車種に供給する。

ロームは浙江吉利と2018年から技術交流し、21年にSiCパワー半導体を中心とする戦略的パートナーシップを締結した。浙江吉利グループ向けには既に製品を供給しており、ジーカーでの採用は初めてとなる。ロームはSiC事業の売上高を27年度に2200億円と、足元の5倍に増やす目標を掲げる。

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