PS5の値上げで収益改善期待が高まった

28日の東京株式市場でソニーグループ株が続伸した。一時は前日比370円(3%)高の1万4150円となり、約1カ月ぶりの高値をつけた。傘下のゲーム子会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントが27日に家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の国内での値上げを発表した。ソニーGの収益改善期待から買いが優勢となった。

ゲームディスクでも遊べるタイプの本体価格を9月2日から7万9980円と、従来から19%引き上げる。部材価格や製造費用の上昇を価格に転嫁した。PS5本体の国内での値上げは3度目。今回の値上げで発売当初と比べて約2万5000円高くなる。

値上げについて岩井コスモ証券の饗場大介シニアアナリストは「前モデルのPS4が発売後に値下げしたのとは逆の動きだ。出荷台数を狙うのではなく収益性を改善する方向へシフトした」と指摘する。「ハードウエアの販売台数に頼る時代は終わったという転換を示している」(饗場氏)といい、機関投資家からの評価も高いとみる。

ただ野村証券の岡崎優リサーチアナリストは「ソニーとしてのゲームユーザー数が減少することで、利益面での成長は鈍化する」と見通す。このため、PS5の今回の値上げ後の収益動向を見極めたい投資家も多そうだ。

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