小林製薬の旧大阪工場へ立ち入り検査に入る大阪市の担当者ら(27日午前、大阪市淀川区)

大阪市は27日午前、小林製薬が製造した紅麹(こうじ)原料を含む機能性表示食品による健康被害問題を受け、原料を製造していた同市内の工場(2023年12月に閉鎖)へ食品衛生法に基づき立ち入り検査に入った。同工場への立ち入りは3度目。製品検査から推定された汚染時期の製造記録の確認や従業員への聞き取り調査などを進める。

市の担当職員6人が午前10時ごろ、工場内に入った。

市は厚生労働省と連携して①健康被害者調査・疫学解析②製品検査・毒性試験③製造工程の調査――を並行して進めている。

今回の立ち入りは製造工程の調査の一環で実施する。これまでの製品検査の結果などから汚染の時期が判明しつつあり、立ち入り検査ではこの間の製造記録を中心に調査し、有毒物質の発生原因や汚染経路をより詳しく調べる。

市は有害物質を生む青カビの汚染経路や、有毒物質である「プベルル酸」などの産生原因の推定は今秋以降に終える方針だ。

疫学解析や毒性試験などの結果を基に、健康被害の原因となった食品や、健康被害の症状・規模を特定したい考えだ。全体の調査結果は25年3月ごろに取りまとめる。

横山英幸市長は立ち入り検査に先立つ26日、記者団に「健康被害者の調査、原因物質の調査、製造過程での調査を組み合わせながら一日も早く原因究明が進むように取り組んでいきたい」と語った。

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