東急電鉄の蒲田駅と京浜急行電鉄の京急蒲田駅を結び、羽田空港までつなぐ「新空港線(蒲蒲線)」の整備が動き出す。国土交通省が27日公表した2025年度予算案の概算要求に、整備主体の第3セクターが調査や設計にあたるための3000万円の補助金を計上した。

国交省が概算要求で蒲蒲線に関する費用を計上したのは初めて。

今回の補助対象となるのは東急の矢口渡駅から京急蒲田駅までの1.7キロメートルで、第1期区間と呼ばれる。矢口渡駅から東急の蒲田駅は既存の東急多摩川線を地下に通す。東急の蒲田駅と京急蒲田駅は800メートルほど離れており、線路を新設して結ぶ。

25年度の事業費を9000万円と見込み、着工に向けた調査や設計作業を進める。第3セクター「羽田エアポートライン株式会社」、都と大田区、国が3分の1ずつ支出する。開業は早ければ30年代後半を見込む。

大田区の22年の試算によると、総事業費はおよそ1360億円。近年の資材高などを踏まえ、24年末までに事業費を再計算する。国交省は既存施設を活用して都市鉄道の利便性を高める「都市鉄道等利便増進法」に基づく補助事業として予算計上する。

蒲蒲線は京急蒲田駅から羽田空港に乗り入れるための第2期区間の構想もある。東急と京急の線路のレール幅が異なっており、直通運行には課題がある。

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