カネカは北海道苫小牧市内に医療機器を生産する苫東工場を開いた(26日)

カネカは2026年をメドに、北海道苫小牧市に心臓などの疾患治療に使うカテーテルや乳製品の工場を新設する。苫小牧市は苫小牧港や新千歳空港といった物流の結節点に近い。国際的に需要が高まる医療機器などを道内で生産し、世界に供給する考えだ。

カネカは26日、約100億円を投じ苫小牧市東部に整備した苫東工場の開所式を開いた。7月からは先行して順次、心筋梗塞など心臓病の原因となる悪玉コレステロールを吸着・除去する「リポソーバー」や、重症化すると下肢切断などのリスクがある足の動脈硬化を治療する「レオカーナ」といった血液関連の機器を生産する拠点を稼働させている。

同社は苫東工場内に生産拠点を追加で整備する。27年3月期までの3カ年の中期経営計画では、医療器などのヘルスケア分野の売上高を中計最終年度に24年3月期比8割増の1350億円まで拡大させると打ち出している。中計期間中に全体で計3000億円の投資枠を設定しており、苫東工場で血液関連に加え、カテーテルの製造機能も整える。

またカネカは北海道東部の別海町で農薬や化学肥料を使わない有機酪農に参入し、生乳などを生産している。苫東工場内には別海町で生産された生乳を乳製品に加工する拠点も設ける。工場の立地が持つ物流面の強みを生かし、一連の製品は海外輸出も進める。

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