ボイラー大手の三浦工業は紫外線の中でも特に波長が短い「深紫外線」を使った水殺菌装置を製品化し、8月から受注生産を始める。発光ダイオード(LED)大手の日亜化学工業が開発した高出力の深紫外線LEDを採用、食品工場や医薬品工場などに売り込む。水銀ランプを使った従来型の水殺菌装置からの置き換えを狙う。
食品工場などでは容器や食材を洗浄する際に大量の水を使う。従来の同社装置は殺菌用に水銀ランプを使っており、オン・オフの運転の切り替えに時間がかかるほか、有害な水銀廃棄物が発生する課題があった。
新製品は三浦工業の流体設計ノウハウと日亜化学のLED技術を融合させた。搭載する深紫外線LEDのピーク波長は280ナノ(ナノは10億分の1)メートル。この波長帯は大腸菌や新型コロナを含むウイルスを死滅・不活化させる効果が検証されている。
従来は使う電力を光に変える変換効率が低かったが、日亜化学は独自技術で水銀ランプに匹敵する高出力を実現した。
超小型のLEDを搭載することで、装置全体の省電力化と小型化、耐久性の向上を実現した。組み込んだセンサーで深紫外線の照射量も監視できる。本体(照射筒)の大きさは高さ47.5センチ、幅16センチ、奥行き21センチ。価格は未定という。健康被害や環境汚染を防ぐ「水銀フリー」も売り物に顧客を開拓する。
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