精密モーターのシナノケンシは人工衛星の姿勢制御に使われる部品「リアクションホイール」の量産を始めた。同社のサプライチェーン(供給網)を生かして調達から出荷までを一貫して手掛け、納期を最短3カ月と競合他社よりも短くした。モーター開発の技術も活用して消費電力を低く抑え、振動を少なくするなど工夫した。
今回量産するのは小型の部類で、機種名は「ARW-3m」。2021年からおよそ3年間をかけて開発した。大きさは1辺が3センチメートルほどの箱形で重さは72グラム。10キログラム以下の「超小型」に分類される人工衛星に搭載する。今後は100〜300キログラム級の小型人工衛星向けのリアクションホイールの開発も進める。
同社は宇宙事業を中核事業に育てる方針を掲げている。最大市場である米国や将来の成長が見込める欧州、日本を含むアジアでも販売を拡大する考え。海外の展示会に積極的に出展するなど、顧客との接点拡大にも取り組む。
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