川崎重工業は21日、船舶用エンジンの燃費データを改ざんする不正があったと発表した。2000年以降に起工された船舶向けに製造した674台のエンジンのうち、673台で不正があったという。船舶エンジンの燃費データの不正はIHIや日立造船でも確認されている。

 不正があったのは、タンカーや大型貨物船、コンテナ船などに使われる中大型の商船向け舶用エンジン。いずれも神戸工場で製造された。出荷前に工場で行う検査で、燃費の数値を仕様の許容範囲内に収めたり、検査項目ごとのばらつきを整えたりするためにデータを書き換えていたという。同社は「安全性に影響する事案は確認されていない」としている。

 同社は今後、外部の専門家らで構成する特別調査委員会を設置する。1990年代以前に製造されたエンジンについても調査をするという。

 IHIが4月に燃費不正を公表したことを受け、国土交通省は7月、造船各社に調査を要請。不正が判明したのは、7月に公表した日立造船に続き、川崎重工が3社目となる。(田中奏子)

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