指宿枕崎線の指宿―枕崎間はJR九州管内でも特に通過人員が少ない

JR九州と鹿児島県、同県の指宿市、枕崎市、南九州市は19日、「指宿枕崎線の将来のあり方に関する検討会議」を初開催した。JR九州は同線指宿―枕崎間の2023年度の平均通過人員が1日あたり222人だったと報告。会議では沿線人口のさらなる減少を踏まえ、鉄道を生かした街づくりの必要性について議論した。

指宿枕崎線の指宿―枕崎間はJR九州管内でも特に通過人員が少ない赤字区間。平均通過人員は22年度(220人)をやや上回った一方、民営化直後の1987年度(942人)から76%減少した。JR九州や県市は2019年度から「線区活用に関する検討会」で利用促進策などを話し合ってきたが、新型コロナウイルス禍などもあり乗客の減少に歯止めがかからなかった。

初開催した「指宿枕崎線の将来のあり方に関する検討会議」(19日、鹿児島市)

今回発足した検討会議について、会長を務める鹿児島県の鈴木圭祐・交通政策課長は「地域の課題にどう鉄道を活用するかという、これまでの単なる鉄道維持・利用促進の域を超えた地域づくりを検討していく」と説明した。一方、「まだ入り口の段階でゴールは決まっていない」といい、議論の着地点については明言しなかった。

JR九州の堀江秀理・地域戦略部担当部長は「鉄道存続が結論にあるわけではない」としつつ、「鉄道を生かした街づくりができるのか、事業者として協力して検討していく」と話した。

【関連記事】

  • ・JR肥薩線の鉄道復旧、地元は歓喜 持続可能性なお課題
  • ・JR九州・香椎線「運転士なし」で運行 自動運転が新段階
  • ・行き止まりJR三角線、解けた「A」の魔法 新たな一歩へ
  • ・JR九州の古宮社長「BRTはローカル線の一つのモデル」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。