カスタマーハラスメント(カスハラ)への対応を定める企業が増えています。従業員に対する悪質な攻撃や誹謗(ひぼう)中傷には法的措置をとるなどと公表し、毅然とした態度で臨むことをあらかじめ示します。人工知能(AI)で電話の声を変換するなど技術を活用するケースもあります。最近の動きが分かる記事を集めました。
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UAゼンセンの調査によると、カスハラをした人の推定年齢は60歳代が約30%と最も多く、70歳代以上と合わせると約49%に及びます。関西大学の池内裕美教授(社会心理学)によると「高学歴・高収入で社会的地位が高かった人がカスハラをする傾向がみられるという分析もある」そうです。
こうした人はカスハラの自覚や悪意がないことが多く、池内氏は「定年後に居場所がなく、承認欲求が高まった結果という面もある」とみています。
理不尽な客を放置していては従業員の負担が大きくなるほか、営業妨害にもなります。企業は相次ぎ、来店拒否や法的措置を取る可能性などの対応をあらかじめ示しています。
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AIで音声を柔らかいトーンに変換
電話で高圧的な口調で苦情を言うケースも少なくありません。コールセンターのオペレーターの負担を減らそうと、テクノロジーを活用するケースも出てきました。
ソフトバンクはAIの音声合成技術を活用し、通話の音声から怒りの感情を取り除く技術を開発しました。コールセンター向けに2025年度中に事業化することを目指しています。
富士通は東洋大学で犯罪心理学を研究する桐生正幸教授と共同で、カスハラを疑似体験できるツールを開発しました。従業員に疑似体験してもらうことで応対に役立てようとしています。
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