ダイハツ工業の井上雅宏社長はインタビューに応じ、認証不正を受けて見合わせていた新モデルなどの開発について「年内の早いうちに進めていければいい」と、早期再開を目指す考えを示した。不正に関しては「不安な思いをさせてしまった」と改めて陳謝し、「ユーザーに信頼してもらうために再発防止を一歩一歩進める」と述べた。

ダイハツは5月7日に本社工場(大阪府池田市)の稼働を再開し、国内の完成車全4工場で生産できる体制が整う。それでも生産台数は不正発覚前の2022年度に比べて8割に届かず、台数を上積みするには新モデルの開発や既存車両の改良が不可欠だ。井上社長は開発再開に当たり、親会社トヨタ自動車との役割分担について「年内に議論して将来の絵を描くことになる」と語った。

認証不正の第三者調査委員会に「短期開発のプレッシャー」が不正の要因だったと指摘され、ダイハツは開発期間の延長や認証担当者の増員など再発防止策をまとめた。これに関し、井上社長は「超短期開発は諦めざるを得ないが、いいものづくりをしっかりやっていけば競争力のある車を造れる」と述べ、余裕を持った日程で車造りに取り組む意向を強調した。

インタビューに答えるダイハツ工業の井上雅宏社長=22日、東京都中央区

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