日本のアイスクリームの需要が海外で高まっている。財務省の貿易統計によると、2023年の輸出額は前年比23.5%増の79億6600万円で、過去最高を記録した。輸出量は同19.8%増の1万138トンだった。輸出は右肩上がりを続けており、人気の高さがうかがえる。

23年の輸出先は台湾が30.6%、続いて香港16.1%、中国15.9%などとなっており、アジアへの輸出が8 割を占めている。

1995年からアイスを台湾へ輸出している食品会社の明治(東京)によると、同社の輸出先も1位台湾、2位香港、3位シンガポールで、アジアが中心だ。輸出量は中長期的に伸びており、2023年度は前年度を上回った。

同社によると、アイスの輸出には冷凍設備の整った船が必要となるなど、物流コストが上乗せされるため、国内で販売されている主力商品「エッセル スーパーカップ」(税込み172円)は、海外では1.5~2倍の価格で販売されている。同社の広報担当者は「現地では中高価格帯のアイスになるが、売り上げは好調で、今後もアジアでの展開を進めていきたい」と話す。

業界団体の日本アイスクリーム協会の担当者は、海外での人気の秘密が「日本の食文化」にあると指摘する。担当者は「バニラ味は日本以外でもあまり味は変わらないが、抹茶やあずきといったテイストのほか、餅でくるんだ商品など、日本のアイスは多様だ。そうした日本らしさが評価されて需要が広がっている」と分析している。

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