エアビー日本法人の田辺泰之代表㊧は「佐渡で暮らすような旅を楽しんでほしい」と話した(㊨は佐渡市の渡辺竜五市長)

民泊仲介大手の米エアビーアンドビーの日本法人は8日、新潟県佐渡市と連携協定を結んだと発表した。インバウンド(訪日外国人)を含めた旅行客の誘致や、地域コミュニティーづくりで協力する。佐渡市では「佐渡島(さど)の金山」が世界文化遺産に登録されたが、宿泊施設不足が懸念されており、人口減少により増えた空き家を宿泊施設に転換することで需要に応える。

10月から佐渡市で空き家活用セミナーや自治体向けの勉強会を開く。オリエントコーポレーションの民泊向けローンを部屋を貸すホストに紹介し、空き家購入やリフォームを検討してもらう。空き家の活用や地域の人材育成を通じて、都市と地方の両方に居住する「二地域居住」を推進する。

仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」の受け入れ体制も強化し、長期滞在の需要創出を目指す。

エアビー日本法人の田辺泰之代表は「佐渡の歴史は興味深く、街並みもユニークだ。エアビーの施設に滞在してホストと交流し、地元で暮らすような旅を体験してほしい」と話した。

「佐渡島の金山」は世界文化遺産に登録された(佐渡金山を構成する「相川鶴子金銀山」のシンボル「道遊の割戸」)

佐渡市を巡っては国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が7月、「佐渡島の金山」の世界文化遺産への登録を決め、注目が高まっている。観光客の増加が見込まれるが、二次交通や宿泊施設不足が指摘される。

佐渡市内でエアビーを利用できる施設はまだ少ない。田辺代表は「空き家が多いということは、今後の可能性も大きいということ。地域にとって最適な形で宿泊施設を増やせれば」と話した。

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