7日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日より414円16銭(1.19%)高い3万5089円62銭で終えた。日本銀行の内田真一副総裁が早期の追加利上げに否定的な見方を示したことで、日米の金利差が開いた状態が続くとの見方から円売りドル買いが加速。円安が株式市場でも好感され、一時1100円超上昇する場面もあった。取引開始直後には前日より900円超下落する場面もあったが、内田氏の発言が伝わると急速に持ち直した。

 この日、内田副総裁は北海道函館市での講演で「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べた。発言をきっかけに、円安ドル高が急速に進行。早朝に1ドル=144円台半ばだった対ドル円相場は、一時147円台後半まで急落した。円安進行は日本企業の海外での業績を押し上げるとの期待から、株式市場の下支えとなった。

 日銀は7月31日の金融政策決定会合で、政策金利を0~0.1%程度から0.25%程度に引き上げることを決めた。植田和男総裁が会合後の記者会見でさらなる利上げに意欲を示したこともあり、円高ドル安が加速していた。市場の急激な変動を受け、内田氏が早期の利上げに否定的な見解を示したことで警戒感が和らいだ。(久保田侑暉)

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