ワールドHDが物流拠点運営を始める「福岡小郡倉庫」=同社提供

人材サービス大手のワールドホールディングス(HD)は物流拠点の運営事業に参入する。福岡県小郡市内の大型物流拠点の一部を賃借し、米ネット通販大手の専用倉庫とする方針だ。パートを主体に1000〜1500人を雇用し、10月に稼働する。これまで手掛けてきた人材サービスの業務請負を倉庫内業務の一括受託に広げて収益を拡大する。

運営を始める「福岡小郡倉庫」は2023年12月に完成した4階建て。このうち3〜4階部分(4万平方メートル)を5年間賃借する契約を結んだ。九州自動車道の鳥栖インターチェンジ(IC)に近く、大型家電や自転車など比較的大きな商品の配送拠点とする。月に25万〜30万個の取り扱いを見込む。

伊井田栄吉会長兼社長は「国内の物流拠点は供給過剰で、有利な条件で賃借しやすくなってきた」と説明する。業務請負では難しかった施設の公開がやりやすくなることで「実際に顧客に運営状況を見てもらい、ネット通販以外の業界も含めて顧客開拓に生かしていく」考えだ。

ワールドHDが熊本に開設する半導体製造装置人材の育成拠点(完成予想図)

同社は熊本県大津町で建設を始めた半導体製造装置の人材トレーニング拠点が12月に完成する見通しも明らかにした。最先端装置を操作しながら設備保全や組み立てなどの実践的な技術を習得できる。年500人の育成を目標とする。2階建て延べ床面積544平方メートルで、2階部分は関連事業者の情報交換の場として活用する。

同社が6日発表した2024年1〜6月期の連結決算は純利益が前年同期比63%減の7億3700万円だった。不動産価格の高止まりを受けて利益率の高いマンション開発を手控えた影響が出た。売上高はヤマトホールディングスから人材サービス会社を取得したことで23%増の1108億円に拡大した。

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