米サンパワーは住宅向け太陽光発電設備の販売・リースを手掛け、仏トタルエナジーズが出資する=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】住宅向け太陽光発電設備の米サンパワーはこのほど日本の民事再生法にあたる米連邦破産法第11条(チャプター11)を申請した。金利上昇で戸建て住宅用の太陽光発電設備の需要が減少したほか、普及支援策も縮小。さらに不正会計疑惑も浮上していた。同社には石油メジャーの仏トタルエナジーズが出資する。

サンパワーは7月、事業に行き詰まり新規リースや製品出荷を停止した。裁判所が承認すれば同社の新規戸建て向け事業やディーラー網などを同業のコンプリート・ソラリアに4500万ドル(約65億円)で売却する。サンパワーが裁判所に5日提出した資料によると、負債額は10億〜100億ドル。

戸建て向けの太陽光発電設備の販売・リースは金利上昇で需要がしぼみ、資金繰りが悪化した。太陽光パネルの在庫が積み上がったようだ。サンパワーは不正会計の疑いも浮上し、米証券取引委員会(SEC)は2月に売り上げの計上方法などを巡って説明を求めていた。

太陽光発電が急増した米西部カリフォルニア州では普及支援策を縮小している。州規制当局は23年、家庭が太陽光発電の余った電力を電力事業者に売る代金を引き下げた。これが家庭の太陽光パネルの導入意欲を減退させて逆風となった。

同州では太陽光発電が普及しすぎて発電量が需要を上回りそうになり、昼間に発電を停止する大型設備も増えている。一方、火力発電の廃止が増え、日が暮れると太陽光発電ができずに州全体の電力が不足。輪番停電が増えている。

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