キリンホールディングス(HD)が6日発表した2024年1〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比79%増の572億円だった。海外での飲料事業で値上げが浸透したことや円安が寄与して収益が伸びた。ミャンマー事業の連結除外に伴う為替差損がなくなったことも奏功して利益を押し上げた。
売上高にあたる売上収益は13%増の1兆958億円で、17年の国際会計基準移行後、同期間として最高だった。酒類・飲料・医薬・ヘルスサイエンスの全てのセグメントで増収となった。
主力の酒類事業は7%増収だった。国内で主力ビール「一番搾り」ブランドの販売数量は3%伸びた。飲料事業は12%増収で、リニューアルした茶系飲料「生茶」の販売数量が27%増となるなど好調だった。
本業のもうけを示す事業利益は24%増の930億円と、同期間として過去最高だった。傘下の米飲料会社コーク・ノースイーストでは値上げ浸透が収益を引き上げ、飲料事業は31%の増益だった。円安は全社で103億円の増益要因となった。
先行投資が続く健康関連のヘルスサイエンス事業は16億円の赤字(前年同期は44億円の赤字)だった。23年に子会社化したオーストラリアの健康食品ブラックモアズが利益貢献して赤字幅が縮小した。
同日、24年12月期の連結純利益が前期比1%増の1140億円になる見通しだと発表した。豪ライオンの資本構成の見直しなどで法人所得税が増えたことにより、従来予想から170億円下方修正する。売上収益は米飲料の好調などで8%増の2兆3000億円と従来予想を300億円上回る。
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