血液検査機器大手のシスメックスが6日発表した2024年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比28%増の110億円となり、4〜6月期としては最高益を更新した。売り上げの9割を占める海外事業がシェア拡大や検査試薬の需要回復を受けて好調で、価格転嫁を進めたことも寄与した。

売上高は17%増の1119億円、営業利益は26%増の167億円だった。米国や欧州、中国、アジア・太平洋など各地域で現地通貨ベースで増収となったうえ、円安も寄与した。赤血球や白血球の数や機能を調べる主力の「ヘマトロジー」分野はインドなど新興国で大きく伸びた。価格転嫁などによって売上高営業利益率は15%と前年同期から1.1ポイント改善した。

手術支援ロボット「ヒノトリ」の4〜6月期の販売は6台で、累計の導入台数は61台となった。今期は国内40台、海外5台の販売目標を掲げる。松井石根取締役専務執行役員は「(米社製の)ダビンチとの競争が激化している」と話した。補修やメンテナンスを強化して顧客開拓を進めたい考えだ。

25年3月期通期の予想は据え置いた。売上高は前期比11%増の5100億円、純利益は11%増の550億円といずれも過去最高になる見通しだ。

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