下げ幅が一時4700円を超えた日経平均株価を示すモニター=5日、東京都中央区で(布藤哲矢撮影)
◆政策の後押しでNISA口座数は1.3倍に
日経平均の終値が過去最大の下落幅を記録した午後3時過ぎのJR新橋駅前。NISAを始めて間もない会社員男性(31)は「岸田政権は『貯蓄から投資へ』と強調するけど、これだけ下落すると心配です」と漏らした。50代の会社員女性も「株は読めない。こういうことがあると投資にちゅうちょしてしまう」。 今年1月にNISAの非課税投資枠を拡大するなど、政府は国民に投資を促してきた。2月には日経平均が約34年ぶりに史上最高値を更新した。日本証券業協会によると、6月末の証券10社のNISA口座数は1520万件と前年比で1.3倍に増えた。◆あわてず動じず「分散投資を」
野村総合研究所の木内登英氏は「世界的な物価高が続く中、日銀が異次元緩和を続けたことで『円安・株高』が行きすぎていた」と解説する。ただ約40年前の「ブラックマンデー」の時と違い、今回の株価の下落幅は日本が突出しているとして「日本に集中したパニックだ」とみる。終値で過去最大の下げ幅を更新した日経平均株価を示すモニター=5日、東京都中央区で(布藤哲矢撮影)
投資歴20年という横浜市でコンサルタント業を営む男性(70)は長期投資を心掛け、株主優待や配当金を意識した投資をしている。「下がったものは、また上がる。これで飯を食っているわけでもないから」 木内氏は投資初心者に対し、短期間の価格変動に慌てず、定額で分散した積み立てを勧める。また「日本株だけなら2割下がっているが、米国株や債券など分散投資をしていればリスクが小さくなる」と話す。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。