日本独自の規格として進化した軽トラックが、欧米でブームになっている。記録的な円安の影響で勢いに拍車がかかり、関連部品は2年前の10倍も売れている。

 米フロリダ州タンパで中古日本車の輸入販売業を営むセルゲイ・カシュクさん(50)と妻のルスラナさん(43)は、「軽トラの人気は年々堅調に推移している」と語る。「近年はガソリン代が高騰しており、燃費がよい点も人気の理由」とセルゲイさん。「米国には同種の車がなく、中古でも日本の軽トラが選ばれている」

 世界最大級の米マーケットプレース「eBay」日本法人によると、同サイトでは2022年以降、日本から海外向けに販売される軽トラ関連の部品が急増。今年上半期(1~6月)の取引量は22年同期比で約10倍になった。購入者の8割近くが米国在住で、カナダやオーストラリア、英国も含めると95%以上になるという。

 売れ筋は荷台のプロテクターやタイヤ、ドアトリムなどで、純正パーツが好まれている。「ここまで軽トラ関連部品が伸びるとは全く予想していなかった」と同社担当者。「米国内で軽トラが周知されれば、もっと人気も高まっていくはずだ」と話した。(田中恭太、中野浩至)

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