日本原子力研究開発機構(JAEA)は2日、核分裂反応が連続する「臨界」の条件を確かめる研究炉「STACY」(茨城県東海村)の運転を再開した。臨界実験を通じ、東京電力福島第1原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の安全な取り出し方や保管方法を探る。
STACYの運転再開は13年8カ月ぶり。炉内ではウラン燃料に金属などが複雑に混ざり合ったデブリを疑似的に再現する。臨界となる条件や臨界量などを調べ、安全に取り出せるかどうか検証する。
1995年に稼働したSTACYは核燃料サイクルの燃料を安全に管理するためのデータなどを収集し、2010年11月に当初の役割を終え運転を終了した。東日本大震災や福島第1原発の事故などを受け、デブリの研究や実験に使えるよう改造していた。
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