塩野義製薬は前年同期に計上した注意欠陥・多動性障害治療薬のライセンス移管に伴う一時金の反動減が響いた

塩野義製薬が29日発表した2024年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比28%減の306億円だった。注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬の販売などの権利を武田薬品工業に移管したことで前年同期に受け取った一時金の反動が出た。

売上高にあたる売上収益は11%減の975億円、営業利益は40%減の281億円だった。前年同期はADHD治療薬の「インチュニブ」や「ビバンセ」の販売権などを武田が買い戻し、塩野義が対価として得た250億円を売上収益に計上していた。

出資している英ヴィーブ社が手がける抗エイズウイルス(HIV)薬の販売は堅調で、ロイヤルティー収入が増えた。新型コロナウイルス治療薬で国内シェア首位の「ゾコーバ」の販売も底堅く、抗菌薬「セフィデロコル」も販売する国・地域が増えて収益を押し上げた。

25年3月期通期の業績見通しは従来予想を据え置いた。売上収益は5%増の4550億円、純利益は1%増の1630億円を見込む。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。