米アップルは30日、同日から通信がつながらない「圏外」でもiPhoneで緊急SOSを出せるようにしたと発表した。人工衛星経由で位置情報を共有し、負傷や遭難などの状況をメッセージでアップル側と家族に伝え、救助を呼ぶことができる。山間部や海上などで活動する個人・法人の活用を見込む。災害時にも役立つとみている。

iPhone14と15の全モデルで対応する

iPhone14と15の全モデルで対応する。全国で対応し、陸から約20キロメートル以内なら海上でもつながる。既存のiPhoneユーザーはサービスを開始した30日から2年間はこの機能を無料で使える。新規の購入者は購入から2年間無料。

衛星通信による緊急SOSサービスは米国や欧州などでは既に対応している。日本は17カ国目となる。

119番などにかけ、圏外でつながらなかった際に緊急SOSの発信を促すメッセージを表示する。案内に従って状況や負傷の状態などを入力すると、衛星につながり、アップルの地上局にメッセージが届く仕組みだ。専門スタッフが代わりに緊急通報サービスに連絡し、救助を依頼する。

緊急事態が起きていなくても自分の位置情報を共有できる機能も追加した。登山などで電波が届かない場所にいても家族や友人に居場所を伝えることができる。

能登半島地震では通信ケーブルの断絶により通信が途絶え、迅速な被害状況の把握や安否確認の障害となった。国内の通信キャリアも対応を進めており、KDDIは米スペースXとともに衛星通信とスマートフォンを直接つないでメッセージを送れるサービスを年内メドに始める予定だ。

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