ガスエンジンの燃料の一部を水素に置き換えCO2排出を減らす

川崎重工業は29日、大型ガスエンジンの燃料に水素を30%混合した試運転に成功したと発表した。神戸工場(神戸市)で10月から発電設備として運用する。燃料の一部を都市ガスから水素に置き換えて二酸化炭素(CO2)の排出を減らす。

同工場に設置した実証設備で都市ガスと水素を混焼した。水素を5〜30%(体積比)の割合で都市ガスに混合することができる。同社によると、大型ガスエンジンで30%の水素混焼に成功したのは国内初という。水素は燃やしてもCO2を排出しないが、着火しやすい特徴があり、外部に漏洩した場合に適切に検出できる検知器などを設けた。

水素を体積比30%の割合で混焼すると、都市ガス100%の場合と比べて約1150トンのCO2を削減できる。約420世帯分の年間排出量に相当する。

同社は高効率で窒素酸化物の排出が少ない発電設備「カワサキグリーンガスエンジン」を手掛けている。25年には水素が混焼できるモデルを市場投入する予定だ。このほか、既存エンジンで混焼できるようにする改造工事を展開するなど、水素の社会実装や普及を促す。

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