パナソニックは29日、水素燃料電池の発電時に生まれる熱を空調機の運転に活用する実証実験を始めたと発表した。空調の熱源にすることで消費電力量の削減を目指す。次世代電源として期待される燃料電池でエネルギー効率をさらに高めるための取り組みの一環となる。1年の実証期間を通じて機器の性能や市場性などを確認し、事業化も検討する。
燃料電池を製造する滋賀県草津市の工場で実証実験を始めた。燃料電池が水素と大気中の酸素を化学反応させて電気を生成する際に熱が発生する。この熱を「吸収式冷凍機」と呼ぶ空調機の熱源として使う。空調機で気化熱を利用して冷水を作り、工場内のエアコンの運転に生かす。
パナソニックは2022年4月から、燃料電池と太陽光パネル、蓄電池を組み合わせて、草津市の燃料電池の工場で消費する電力の全てを再生可能エネルギーで賄う取り組みを進めている。99台の燃料電池を設置しているが、燃料電池から発生した熱の活用が課題となっていた。
今回の実証実験を通じて燃料電池単体のエネルギー効率を現在の56%から95%まで引き上げる。
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