首相官邸で開かれた経済財政諮問会議=29日午後

 内閣府は29日の経済財政諮問会議で、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の中長期試算を示し、2025年度に8千億円程度の黒字になると見込んだ。実現すれば1991年度以来で、政府が2002年に明確な黒字化目標を導入してから初めて。税収増を受けて赤字を予想した1月の前回試算より収支が改善する。

 ただ、今回の試算では政府が秋にまとめる経済対策は考慮されていない。対策の規模が膨らんだり、税収が想定を下回ったりすれば25年度の収支が悪化し、赤字になる可能性がある。

 プライマリーバランスは、社会保障や公共事業などの政策経費を税収でどれだけ賄えているかを示す指標で、赤字だと借金に頼っている状態を意味する。

 財務省が3日に公表した23年度の国の一般会計税収は過去最高の約72兆円で、昨年の見積額を約2兆5千億円上回った。法人税収が大幅に伸び、物価上昇で消費税収も過去最高。内閣府は25年度の税収も前回試算の想定を上回ると予想した。

 内閣府は試算した33年度までプライマリーバランスの黒字が続くとの見通しを示した。

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