「白くまくん」の国内生産比率は5割を超えた

空調機器を手掛けるジョンソンコントロールズ日立空調(JCH、東京・港)は26日、独ボッシュへの売却を受けて説明会を開いた。事業責任者を務める菊地正幸バイスプレジデントは生産拠点である栃木事業所(栃木県栃木市)について「競争力のある地産地消の拠点として、現時点でサプライチェーン(供給網)を維持していく」と説明した。

家庭用エアコンを巡っては、22年から一部中国で生産していた日本向け製品を国内生産に切り替えており、今春には国内生産比率が50%を超えた。23年にはエアコン製造に必要な約900の部品のうち約45%を栃木県内の取引先から購入するなど、国内の部材供給網の構築も進めてきた。

雇用も継続する。ボッシュに引き継がれる栃木事業所では約1600人の従業員が働いている。日立製作所の家電子会社、日立グローバルライフソリューションズ(GLS)傘下となる予定の業務用空調の拠点、清水事業所(静岡市)には約1500人の従業員がおり、国内全体で約3700人の従業員がいる。

菊地氏は「栃木のルームエアコン生産について現時点での変更はない。従業員の雇用も継続する」と話す。

JCHは2015年に日立製作所と米ジョンソン・コントロールズ・インターナショナル(JCI)の空調事業を切り出す形で立ち上げられた合弁会社。24年7月23日に日立とJCIが全株を独ボッシュに売却することを発表した。

日本国内で長らく「白くまくん」のブランドで親しまれてきた家庭用エアコン事業はボッシュとのライセンス契約でこれまで通り日立GLSと連携して販売を継続する。菊地氏は「日立ブランドのルームエアコンはこれからも継続し、白くまくんも無くならない」と話す。ブランドライセンス期間についてはこれから詳細を詰めていくと説明した。

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