九州大学は26日、最先端の半導体製造に欠かせない極端紫外線(EUV)の技術を持つ新会社、EUVフォトン(福岡市)を設立すると発表した。企業が先端半導体向けの新素材などを開発するにあたり、EUVの照射から解析までをワンストップで提供することで技術を蓄積、半導体供給網の強化につなげる。
設立は29日付で、産学連携の加速を目的に4月に設立した九大OIP(同)の傘下企業第1号となる。社長には半導体の研究・教育に長く携わってきた浅野種正・同大名誉教授が就任する。資本金は当初100万円だが外部からの出資受け入れも視野にいれる。
EUVフォトンでは半導体の回路を形成する際に使われるフォトレジストなどを手掛ける素材メーカーから発注を受け、EUVの照射や解析、評価を担う。解析や評価のノウハウは九大からも提供を受ける。EUVの光源など設備の発注や人材の採用を学外から進め、2025年度中のサービス提供を予定する。
現状、EUV向け素材などの研究開発は海外に委託するケースが多く、高額な料金などが課題になっている。国内で試作を受注することで技術を蓄積するほか、人材も育てる。九大の石橋達朗学長は「半導体がブームとなるなか、九大も率先して産業に貢献をしたい」と話す。
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