再生航空燃料(SAF)やバイオディーゼル燃料を製造する

ユーグレナは26日、マレーシアでバイオ燃料のプラントに投資すると発表した。投資額は最大で300億円規模。現地石油大手のペトロナスやイタリアのエネルギー大手エニと共同で建設し、2028年後半までに運転を始める考えだ。ユーグレナはバイオ燃料を将来の事業の軸に据えていて、今回の投資で弾みをつける。

マレーシア南部に再生航空燃料(SAF)やバイオディーゼル燃料を製造するプラントを建設する。生産能力は年間約72.5万キロリットル相当で、総事業費は約13億ドル(約2000億円)。投資する3社で年内に共同事業体(JV)を設立する。

ユーグレナの持ち分は5%で、残りはペトロナスとエニで折半する。最大15%まで拡大できるオプション契約も結んだ。グリーンボンド(環境債)や第三者割当増資で得た資金を使うほか、追加の資金調達を実施して持ち分を15%にまで引き上げる。

当初は廃食用油を原料とする予定で、将来は同社が製造するミドリムシの使用も視野に入れる。製造した燃料は羽田空港を運営する日本空港ビルデングなどに卸す。

ユーグレナは22年に3社でプラント建設の検討を始めたことを表明していたが、投資判断の期限を従来の23年度内から延期していた。同社の試算ではプラントの15%を保有すれば、税引き前で年間60億円以上の利益が見通せるとしている。

SAFなどのバイオ燃料は化石燃料由来の燃料と比べて二酸化炭素(CO2)排出量を抑えられることから、運輸の脱炭素化の切り札として期待されている。国内でもENEOSホールディングス(HD)や出光興産、コスモHDなどがSAFの量産を目指している。

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