PwCグループは生成AIシステムを三菱商事に提供する=ロイター

PwCジャパングループのPwC税理士法人は25日、三菱商事に生成AI(人工知能)システムを提供し、経理業務を効率化する実証実験を行ったと発表した。大量の文書などで管理する取引先の情報から経理担当者が必要とするデータを自動で抽出・管理して、業務の軽減につなげた。三菱商事での正式採用をめざす。

PwC税理士法人は税務関連のコンサルティングなどを手がける。外部のIT(情報技術)企業が作るAIシステムを自社で改良し、5月までの2カ月間、三菱商事に提供した。従来は何万件ものビッグデータをAIに与え、独自の基盤システムをつくるのが一般的だ。基盤の能力をすでに持つ生成AIを活用することで、導入時のコストや手間を省きやすい。

三菱商事は取引先企業などに債務を保証したりする場合に契約書を交わすが、取引先企業名や金額、日付などのデータを従来は経理担当者が人手でシステムに入力し、分類している。実験では、経理担当者が新たな契約書などをつくった場合に、生成AIを使って必要な情報を自動で抽出した。

もとの資料と目視で突き合わせたところ、情報の正解率は平均で97%となり「実際に活用できる可能性が示された」(PwC)という。有価証券報告書などの開示資料作成で必要となるデータの管理作業を軽減できる見通しだ。

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