フィリピンにある古河電工の工場

古河電気工業は24日、データセンター向けの冷却製品を生産する工場を国内とフィリピンに新設すると発表した。液体を使って冷やす「水冷方式」の製品を2026年度から量産する。生成AI(人工知能)などの普及に伴う高機能品の需要を取り込むほか、リスクに備えて拠点を分散させる。

平塚工場(神奈川県平塚市)とフィリピン工場がある工業団地内に建設しており、26年10月に量産を始める。投資額や生産能力は非開示としている。平塚工場は冷却製品の開発拠点でもあり、設計開発力の強化も図る。

生成AIは処理するデータ量が多く演算装置が熱を発しやすい。量産するのは水などの液体を循環させて熱を回収する水冷方式の製品で、冷却効率が高い強みがある。従来はファンで風を送って冷やす「空冷方式」が主流だったが、今後は水冷方式の割合が増加すると見込まれている。

冷却に使うコールドプレートやホース、配管部品などを組み合わせて販売する。売上は26年度に60億円、27年度に250億円を見込む。生成AI関連投資は足元で活況であり、古河電工はデータセンター向けの高付加価値品の拡販や生産体制の整備に注力している。

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