京都フュージョニアリングが開発を進める燃料を循環させる実証設備の一部

核融合スタートアップの京都フュージョニアリング(東京・千代田)は、カナダ原子力研究所(CNL)と共同で核融合反応の燃料を発電プラント内で循環させる実証設備を開発する。効率的に燃料を循環・供給することで核融合反応を継続して起こす。23日に発表した第三者割当増資による調達資金10億7000万円などを活用する。

5月にCNLと共同で設立したカナダの新会社を通じて開発する。CNLは核融合発電の燃料となる放射性物質トリチウムの処理や管理に知見がある。26年中の稼働を目指し、核融合発電プラント内でトリチウムなどを循環させる実証設備の開発を進める。

第三者割当増資は米国のベンチャーキャピタル(VC)のインキュテルやニチコン、丸紅などが引き受けた。インキュテルの設立母体は米中央情報局(CIA)で、日本企業への出資は初めて。

京都フュージョは京都大の研究者らが2019年に設立した。「ジャイロトロン」と呼ばれる核融合反応を起こすのに必要なプラズマ加熱装置をはじめ、発生エネルギーや燃料を循環させるシステムなど周辺設備の開発に強みを持つ。24年に入ってカナダとドイツで拠点を増やし、現在は日本を含め5カ国で事業を展開。今回の調達資金は海外展開の事業拡大にも充てる。

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